やっぱり和式トイレ?

2021年07月03日

和式トイレは本当に少なくなりましたね~。

 改めて、和式トイレと洋式トイレどちらが良いのでしょうか?

 当然、ひざ痛や股関節通や関節疾患がある方、筋力が弱くてしゃがむのがきつい方、妊婦さんなどは和式はきついので、そうした人にはとても良いものですよね。

 

しかし、動物本来の自然な姿勢を見てみるとどうでしょうか?

 我が家には2年前までケアンテリアという犬種の犬を飼っていましたが、犬のトイレの時に、それが小便か大便か、その姿勢で事前に分かりました。

 これは犬を飼ったことがある人なら皆さん分かると思います。

 つまり、大便なら・・・

犬 排便 西荻窪整体

 背中を丸めるんです。

 これが小なら・・・

犬 西荻窪整体院

 この子は、脚上げスタイルですが決して小の時は背中は丸めません。

この体の使い方は基本的に人間も同様なのです。

 それは・・・

 恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋という肛門のすぐ上で直腸を引っ張り曲げている筋肉の存在があるからなのです。

恥骨直腸筋 磯谷式力学療法 西荻窪整体

 この二つの筋肉は直腸を曲げることで排便を抑制する働きがあるのです。

 イラストは骨盤を横から見たところです。

 分かりずらいかもしれませんが、頑張って描きました(*‘ω‘ *)

 恥骨から直腸をぐるっと引っ掛けるように一周している恥骨直腸筋と、その恥骨直腸筋を尾骨方向に引っ張り上げている恥骨尾骨筋の位置関係はお分かりいただけると思います。

 この二つの筋肉のところで直腸にくびれがあるのがお分かりいただけますでしょうか?

 このくびれが排便を抑制しているわけです。

 筋肉は縮むときにその働きを行いますが、この筋肉は骨盤の形が変わることによりその働きをしているように思います。(ここは私の想像で実際はこの筋肉も収縮しているのかもしれません。筋肉は基本的には関節をまたぎ骨に付着してその機能を果たしますから、骨の位置がずれていれば、その機能が低下するのです。例えば骨盤底筋群は尿失禁や内臓下垂などにも重要ですから、高齢者の体操教室でもこれらの筋肉を鍛えますが、鍛える前に骨盤の状態を整えなければ、いくら筋肉を鍛えてもその筋肉はその働きを全う出来ないという事になる訳です)

 

そして、骨盤が後傾するとこういう具合に直腸が肛門までまっすぐになり、スムーズな排便が行えるというわけです。

直腸 排便 西荻窪整体 姿勢 猫背矯正

 

つまり排便をスムーズにするためには猫背にして骨盤を後ろに倒す姿勢が必要だということです。

 したがって猫背、骨盤後傾が自然にできる和式トイレのほうが排便においてはスムーズであるという結論になるのです。

 また、この骨盤後傾で排便がスムーズになるという、ちょっと困った事も引き起こしてしまいます。

 それは高齢者の便漏れです。

 凡そ、90%以上の人がO脚で、加齢によりその筋肉の癖は強くなります。

 つまり加齢とともにO脚、猫背が進むわけですが、そうすると先ほどの骨盤後傾もおこりますから、恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋が緩み直腸がまっすぐになり・・・。

 「年とともに色々と緩くなってしまって・・・・」という切ないつぶやきが漏れることもあるのではないでしょうか?

 また、排尿の際には骨盤が後傾していると尿道の上部にある膀胱や腸なども下垂して圧迫が起こるので、あまり骨盤を後傾すると排尿がスムーズにいきません。

 

 

したがって、いい姿勢を習慣にすることはこうしたことへも影響があるのですから、姿勢は本当に大切です。

 で、ここで和式トイレの話に戻りますが、和式トイレが良いのは、排便をスムースにするばかりではありません。

 

和式トイレでの排便は、足首の関節のストレッチにもなります。

 足首は、悪路などを歩いたり走ったりするときに衝撃を吸収し、体のバランスが崩れないようにしてくれる肉体と地球の大事な接点に一番近い大きい関節ですから、足首の硬さは体への影響も非常に大きいのです。

 西式健康法の西勝造先生は西医学を確立するときに参考にしたイギリスのお医者さんの医学論文をその著書で紹介していました。

 「第二次大戦中空爆で瓦礫の山になったロンドンで、復旧作業などで砕けたブロックなどで足首の捻挫をする兵隊さんが多くいたが、その人たちが何年か後に腎臓を患う確率が非常に高かったために、足首と腎臓の因果関係がある」という内容であったそうです。

 当所にも以前、ある高名な精神科の先生に「あなたのうつ病は、体に起因しているから、右足首を治してくれる人を見つけなさい、と言われたのでこちらに来ました」と言われた患者様がいらっしゃいました。

 体は精妙なバランスを取りながら有機的に一つにつながっているのですから、こうした話は不思議ではないのです。

 

またさらに!いわゆる和式トイレでの「うんこ座り」は、最大限深いスクワットであるわけですから太もも前面の大腿直筋という重力の中で体重を支えるために一番必要な筋肉を鍛えることにもなります。

 少し前の日本人が肉体的にも精神的も強かったのはこうした日常当たり前に行っている動作が理にかなったもので体がしっかりしていたせいではないかな?と思う次第です。

 若い方,便秘症の方などはぜひ和式トイレを嫌わずに試して比べてみてくださいね。

  人間科学を追求する磯谷式力学療法ベースの整体院  杉並区・西荻窪 鴨下療法所 
 

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