ビッコが起こるわけ

2019年01月19日


 ビッコと言う言葉は差別用語なのですが、正式名称の跛行(はこう)という言葉は認知度が低いため、あえてビッコと表記しておりますことをまず初めにお詫びいたします。 約70年前に礒谷公良先生がこの問題に取り組みそのメカニズムを発見いたしました。

 当時先生の働かれていた整骨院に来らる脳梗塞の後遺障害で方麻痺のある方や、小児麻痺でビッコに悩む方々の歩行を改善するために様々な試行錯誤を繰り返したようです。
 当時はレントゲンを扱うことが出来たので、鉛板を目印にして、脚の骨の長さを比較すると、骨の長さには左右差が無いのに、ぎったんばったんとビッコをひくのはなぜだろう?という疑問から研究を進め、ついに股関節の角度差がビッコの原因であることを突き止めたのです。

 それは、脚の骨が股関節が外に開くことにより約2.5センチ脚から骨盤にかけての長さが長くなり、反対に股関節で脚の骨が内に閉じる事により、約2.5センチ足が短くなるので股関節の角度差で最大5㎝の脚長差が生じる、と言う発見だったのです。そしてその理論から、その左右の股関節の角度差を矯正する方法、それを維持する方法を開発されたのです。

 では、その左右差はなぜ生じたのでしょう?私なりにその理由をまとめてみました。

 ① 赤ちゃんや子供の頃についてしまったクセ・・・例えばお母さんのおむつの当て方のクセ、赤ちゃんの頃にいつもお母さんが右に寝ていたので常に左を向く癖がついた、お母さんの抱き方のクセ等により股関節に左右差が生じた。

 ② スポーツや生活習慣(脚を組む、床に座る時にトンビ座りをする、立っている時にいつも同じ脚に体重をかけている、仕事で重い物を持つ 等)による筋肉の偏りがある場合。ほとんどの方がこうした習慣による癖を持っています。

 ③ 股関節自体の疾患・・・臼蓋形成不全、先天脱臼、ペルテス氏病、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、リックレンハウンゼン氏病などによる影響。股関節自体の疾患のために股関節角度の左右差が大きくなってしまいます。

 ④ 麻痺が有る場合・・・小児麻痺、脳梗塞など脳の疾患の後遺障害など脳・神経に問題がある場合。

 ⑤ 痛みが有る場合・・・上記の理由とだぶる場合も多いのですが、痛みが有るとその痛みを避けるために歩き自体がかえって悪くなる事も多いのです。例えば足の靴擦れ、ウオノメ、たこ、外反拇指、巻き爪、けが、等が有りかばってしまい、痛い方の脚に体重をかけれなくなる。また膝や股関節に痛みが有ると病院でも負担を減らすために体重をかけないように指導したりすることも有りますが、これもケースバイケースで体重をかけないことにより起こる痛みも有ります。
 
 ⑥ けがや事故で手術をされている場合・・・バイク事故などで脛を複雑骨折された方などで、整復した時の骨の付き方が真っ直ぐでない場合や、整復により骨の長さ自体に差が生じている場合。事故やけがで感じた痛みの記憶で、何となくかばうような癖が残ってしまっているような場合。また、内臓の摘出手術をされていると身体の左右の重さに差が生じ股関節にも偏りが生じるケースもあります。

 上記の様な様々な原因でビッコは起こります。そして、ビッコをひくことにより、ますます筋肉の緊張や筋力の左右差が大きくなる悪循環に陥ってしまいます。
 そして、この左右差はダイレクトに骨盤の高低差や捻じれになり、背骨もその影響を当然受け全身が歪み、血流の悪さ、神経や臓器の圧迫を生じ痛みや、病気の原因になってしまうのです。
 歩くと言う行為は人間にとって最も基本的な運動になりますから、歩行が正しく出来ると言う事は非常に大事なことなのです。
 当所では礒谷療法をベースにした股関節矯正とそこから起こる全身の歪みを取り除く調整と生活や体操の指導により根本から問題を解決し、さらに歩行のクセを取り除く歩行指導も合わせて行っております。
 今年こそは、歩きを改善したい!今年は問題を根本から治したい!その様な希望のある方!一緒に問題を解決していきましょう!!

歩行の問題を根本から解決できる礒谷療法をベースに更に歩行の指導に力を入れている整体院  杉並・西荻窪 鴨下療法所
 
 

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