股関節疾患の運動療法にはタイプ分けを・・・O脚系

2019年01月29日

 西荻窪駅から徒歩3分の股関節・骨盤矯正の整体・鴨下療法所です。【運動療法】


 
 誰にでも同一な運動療法には危険があります。  

 運動により、鍛えなければいけない筋肉、緩めなければいけない筋肉には個人差があるからです。

 やみくもにどの筋肉も鍛えれいいというものではないのです。

 特に、痛みを伴う変形性股関節症などでは、筋肉により決定する股関節のちょっとした角度差で痛みが増したり、軽減したりするものですから、適切な運動療法を選びたいものです。

 変形性股関節症をはじめとする股関節疾患には様々なタイプが有ることを知らないと効果が無いばかりかかえって状態を悪化させてしまう場合もあるのです。 
 
 以前にX脚系の方の特徴とその運動を紹介しましたが、今回はO脚系の特徴とその運動を紹介します。

 まずO脚が身体に与える影響としましては、猫背の原因である写真Aのような骨盤後傾が起こります。
 

写真A


 健常な股関節の方ですとおおよそ90%以上の方がこのタイプだと思いますが、もちろん股関節疾患の方にも起こる状態です。
 
 ここで私がいうO脚とは太ももの内側の筋肉に比べて外側の筋肉が強い状態を指していますから、写真Bのように歩いている時に膝が外に向いていたり、椅子に腰かけた時に写真C,Dの様に骨盤を後傾させて膝が開いているのがその特徴といえます。

写真B


 

写真C

写真D


 また、最近よく健康雑誌などで反り腰の女性が増えているという記事を目にする事が有りますが、そうした反り腰と呼ばれる状態は脚力不足や肥満、腰に力を入れる癖などから起きているものが非常に多く見受けられます。
 この状態はO脚から起こっている反り腰なので、私は『疑似反り腰』と呼んでいます。

 今回はO脚系の運動療法を説明しているので、この『疑似反り腰』の方はこの運動療法を行っていただくことになります。
 
 それに対して、本来の反り腰は写真EのようなX脚の骨盤前傾から起こるものなのですが、こうした骨盤の状態は何らかの股関節疾患、小児麻痺の後遺症などから起こることが多い状態です。
 よって、こちらの『真正反り腰』はX脚から起こっています。

写真E

(X脚系の運動療法をご参考にしてくださいね)
 
 ですから、上二つの脚の状態の見かけ上は非常に似ているのでリハビリなども間違わないで選択しなくては全く効果が出ないばかりかかえって悪化させてしまう事もあるので注意が必要となります。

 

 今回説明しているのはO脚系の運動療法ですから、常に大腿骨が外へ引っ張られている状態となっているわけです。

 この状態を矯正する為には太ももの外側の筋肉をストレッチして柔らかくし、それに拮抗する内側の筋肉を鍛える必要が有りますから写真Fの様につま先を内Vの字に合わせた状態でのスクワットを行っていただきます。

写真F


 
 森光子さんも生前スクワットが良いと言われていましたが、足先を開いて行うスクワットだったために猫背が進んでしまったと思います。

 
 鍛える場所を間違えると、せっかくの努力も逆効果になってしまうのです。(実際の矯正ではさらに左右差を加味した体操の処方となります)

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