椅子に座る時には膝が離れるのが正解?

2024年01月09日

 西荻窪駅から徒歩3分の股関節・骨盤矯正の整体・鴨下療法所です。【座り方】 

 ある患者様が行かれた整体で、「人間の脚はそもそも離れているのがニュートラルな状態だから、膝を付けて座るのは自然な状態ではありませんから、膝を離して座ってください」と言われたとお話しくださいました。

 確かに、ニュートラルな筋肉の状態であればそうなんです。

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 股関節の形状、脚の太さなどから考えると、私は身長170㎝で骨盤の幅はだいたい40㎝ぐらいという中肉中背のごく平均的な体形なのですが、もし私の脚の筋肉がニュートラルな状態であれば上の写真の黄色線のように膝の間は10㎝ぐらい開いているのが正しい状態だと思います。

 剣道でも正座の時には、膝の間にこぶしが一つ入るぐらい開けなさい、と習いました。
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 しかし、現実的には、多くの方は脚の内より外の筋肉が強いから、矯正のために膝を付けて、太ももの外側の筋肉のストレッチをしてください、というのが礒谷式力学療法の考え方になるのです。

 そして、脚の筋肉をニューたるな状態にするために紐で結ぶことや生活習慣の改善、体操などを推奨しています。

 初めて聞く方は「え?そんなことするの~」と思われると思いますが、実に理にかなったことですし、難しいことではありません。

 初めはめんどくさく感じるかもしれませんが意識を使い歩き方や、こうした座り方の習慣化を行い、寝ている時間は『脚の紐結び』でストレッチを行う事で、それこそ24時間が矯正になるから、重篤な症状の方でも根本から良くなることが出来るのです。

 礒谷式力学療法では体が完全に整った状態を目指しますが、そのゴールの脚の状態をNと表記していますが、これはナチュラルの頭文字なのです。

 しかし、それでも太ももの外側の筋肉が強いから、脚の外側の筋肉を少しは緩めるようにして、良い状態をキープしましょう、と教えてくれています。

 ほとんどの方は、歳と共にO脚、猫背が進みます。

 それが、脚を開くために起こる事なのです。

 先に椅子に座る時には膝が離れているのが良いか?という問題を解説しました。
 その中で、『剣道でも正座の時には、膝の間にこぶしが一つ入るぐらい開けなさい、と習いました』と書きましたところ、それはなぜ?とご質問をいただきました。
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 それは、剣道など歴史がある武道において正しいと言われていることが間違いなの?という至極ごもっともな疑問だと思います。

 その答えは、この文章中にもあります。

 それは『歴史がある』という事なのです。

 剣道自体は、明治になり一度すたれていた武術を修養に重きを置いて再編されて大正時代に出来たようですが、その源流はもちろん刀の出現にさかのぼると思われます。

 刀が日本史に登場するのは平安時代中期らしいので、およそ1000年の歴史があるわけですが、その頃の日本人の脚腰の強さはどれほどのものだったのでしょうか?

 以前からよく引き合いに出しますが、私の父は昭和7年生まれで、その父の祖母は立川の砂川6番あたりから小金井にお嫁に来た人だったそうなのですが、朝に赤ちゃんである父を背負い徒歩で立川まで行き、帰りにはお土産の野菜までしょってその日の夕方に徒歩で帰ってきたそうです。
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 この距離をグーグルマップで見ると、約9.3㌔、徒歩2時間20分と教えてくれました。
 この距離を赤ちゃん(男の子ですから約4~5キロ)を背負い歩けるおばちゃんが最近ではどれぐらいいらっしゃるでしょうか?

 しかし、これが昭和の初めごろにはきっと特別なことではなかったのだと思います。

 これが、約90年前の話です。

 さらに大正、明治になると人々はもっとたくさん歩いたでしょうし、生活自体も水道の普及前ですから水運びなど重労働により筋肉は半端じゃなく強かったであろうことは容易に想像できます。
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 そうした、生活をするうえで鍛えた筋肉は、多分バランスも良かったであろうと私は想像します。
 
 ですから、そうした筋肉が強くてニュートラルにある人々にとって膝の間にこぶしを一つ入れるぐらい開けた正座が正しい、と教えを残したのだと思います。

これも以前紹介した話ですが、私の太極拳の先生は、それ以前に日本の伝統的な武道を練習をしていて、なかなか技の理解が進まなかったのが、中国で太極拳の達人から教えを受けたらその謎が解けたと言われていました。
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↑ 私の習った呉式太極拳の始祖、呉鑑泉師

 それは、まさにこの正座と同様に、日本の古の達人たちが入門時にすでに当たり前にできている事の部分の練習から抜けているために、例えば練習1,2はもうできているから3から始まってしまっていたものが、中国では体の準備が出来ていない人に教える練習方式で1から教えてくれたために、基礎から段階的に練習ができ技が習得できたと言われていました。

 このように、所作においてもその意味するところが失われて形だけ残っていると、色々と不具合を生じることもあるかもしれません。

 そのためにできる事は、何か動作を行った後にいつも痛みや不快な症状が出る時などは、その動作を疑ってみることです。

 例えば、車を運転した後にいつも腰が痛い、という事があれば運転の姿勢を考えてみる、というようにです。

 椅子から立ち上がった後に股関節が痛い、下り坂を降りる時に膝が痛い、どれもその動作に原因があるのです。

 人間の体のメカニズムを研究する礒谷式力学療法×CS60の整体院  杉並区・西荻窪  鴨下療法所
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