意図的な痙性を治療に?

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 痙性「けいせい」と読みますが、あまり聞き覚えの無い言葉だと思います。これは体の部分が自分の意思と関係なく勝手に震えたり硬くなったりしてしまう症状の事を指す言葉で、ほとんどの脊髄損傷患者は、何らかの形式の痙性緊張亢進を経験するそうです。私はこの痙性関係では頚椎損傷による麻痺のある方1例の経験しかありませんが、拘縮予防を依頼されて2週間に1回、2年以上その反応などを見てきましたので,私見ではありますがご講評いただければとまとめました。

 この方は、頚椎損傷事故以前は右股関節外転度が左よりも大きかったと、右脚の方が太いこと等から推測されます。しかし、事故は身体が右に捻じれて起きたために現在は反対の左股関節の外転度が大きくなっていると判断しています。

 事故後は良く痙性が起きていたそうですが時間の経過と共にだんだん痙性が起きなくなってきている。痙性は決して気持ちのいいものではないが、起きた後は血流の良さや気分の良さを感じると聞いています。

 私が左股関節を内転に矯正すると、左脚大腿四頭筋、上半身は反対の右側から右腕、指にまで痙性が起きます。これは筋膜のラセンラインのつながりで起きていると推測しています。
 右股関節の内転矯正は左股関節ほどの痙性は起きないが、起きる時はやはり大腿四頭筋から左上半身に起きます。
 私は股関節矯正がうまくいった時ほど痙性が大きく出る事からも、痙性が自分で体を緩めているような感覚を覚えます。
 また、足趾の爪もみをしたときには、左足では小趾、薬趾、中趾、右足では中趾、人指に痙性が起きますが、筋肉の緊張度が高い趾ほど痙性が起きやすいのではないでしょうか?だとする痙性は筋肉の拘縮を防ぐために働いているのでは?と思いいたるのです。
 さらにこの指の爪もみは股関節矯正の後では起こりませんから、これも緊張が無くなれば痙性が起こる必要が無いからということではないかと思います。
 
 私はこの痙性について考える時に、安保教授がパーキンソン病に関して言われていた「パーキンソンの人が震えるのは必要だからだ。寒ければ体が震えて血流を良くして体を温めようとするのが体の自然な反応なのだから、パーキンソンの人が震えるのは、身体が硬くなり、冷えているから血流を良くしようとしている体の自然な反応である」という言葉を思い出します。
『痙性は必ずしも悪いことばかりではありません。人によっては、膀胱を空にしたり、移動したり着衣の際に利用することもあります。それ以外にも、筋肉の緊張を保ち、血液循環の改善に利用することもあります。骨の強さを保つために役立つこともあるでしょう』とリーブ基金という海外のサイトにも書いてありますが、車椅子から落ちてしまうような事も起こる痙性は危険でもありますが、意図的に痙性を治療に使い、血流改善など代謝向上に使うことなどは今後の課題になるのではないでしょうか?