左は軸足?

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 先日テレビの健康番組で、「左足が軸足。それはお母さんのおなかの中にいる時の姿勢で決まる」というようなことを言っていました。この左脚軸足理論は昔から言われているもので、「脚の裏は語る」(平沢潤一郎著 筑摩書房刊)では、要約すると『左脚は絶えず全身を安定させるための支持役だから左脚は強くて足も大きい。右脚はスピードをコントロールしたり攻撃したりの運動性の役割がある。歩く時も右膝は左膝より高く上がり、着地時間は左脚の方が右脚より長い」と言われていますが、私はこれには疑問を感じます。

 まず、左右脚の長さの差に関しては礒谷公良先生が昭和57年にまとめた本には先生の患者様1000人中、左脚が長い人の割合は77.2%、右脚が長い人は22.8%と統計を取られています。しかし私が礒谷療法中野本部で働いていたころ先輩方も「公良先生の時代より最近は右脚が長い人が増えている」と言われていましたが、私も同様に感じており感覚的には脚長差に左右脚の割合の差をほとんど感じていません。

 そして、この脚長差で大事な事は『重力を考えた時に、常に短い脚に体重がかかることは物理的な大原則なのです』(痛みが有るとか麻痺が有るとかのケースを除き)したがって、軸足とは体重がかかる脚=短い脚となるために左脚に体重がかかっている人の割合が高いという話は臨床的にあり得ないと思うのです。また、足の大きさに関して言えば長い脚は体重が総体的に外側にかかりますから足が長くなり、甲高になり、短い脚は体重が総体的に内にかかる為に親趾側に体重がかかるために扁平、幅広の形になります。そして歩行時に膝が高く上がるのは骨盤が前方に転移している側の脚になりますから短い脚が長い脚より膝が高く上がるのが基本となり、長い脚は大股になりますから着地時間も長くなります。

 結論としましては、軸足はどちらの脚のこともあり左右脚において、その割合の差はそれほど顕著ではない。スポーツでは軸足が安定するという事が非常に大切になりますが、生活者としては極端な言い方をすれば両脚均等に軸足にするつもりで筋肉のバランスを整える事が健康に過ごすことになる、という事です。