どうすれば早く走れるか?・・東大での共同研究 ②

2025年03月31日

西荻窪駅から徒歩3分の股関節・骨盤矯正の整体・鴨下療法所です。【ランニングフォーム】

 前回からの続きなのですが、少し前置きから書きたいと思います。

 私は、礒谷式力学療法を学び臨床を始めて28年目になります。

 その間、様々な経験を通して礒谷式力学療法は本当に素晴らしいものであると確信しています。

 そして、何より股関節が全身の姿勢を決定するという考え方は、世間の多くの人が信じる西洋医学からするとかなり異端に思われてしまうことも分かりますから、やはり科学的な根拠を証明する必要であると常々考えてきました。

 そのためもあり、2012年には早稲田大学人間科学科のバイオメカニズムの鈴木秀次教授の研究室の共同研究に参加させていただき、この時の論文では『股関節矯正が腰椎の前弯を増大させる』というところまでは証明することが出来ました。

 早稲田大学 共同研究論文  KAKEN 2014年 2014 年度 実績報告書 

 鈴木秀二先生が監修された
 『ニューロメカニクス 身体運動の科学的基盤』 ロジャー・M・エノーカ (著), 鈴木秀次 (監修) 西村書店刊
バイオメカニクス 鈴木秀二次 整体 西荻窪
 

 この時にお聞きした先行論文では『高齢者において腰椎の前弯が無くなると転倒のリスクが高まる』というものがあることから、合わせて読むと『高齢者の転倒予防に股関節矯正が有効である』ということが証明できたとうれしかったのです。

 しかし、そこから先に『では腰椎の前弯が体にどういう影響を与えるのか?』という部分を証明するにはどうすればいいか、と考えた時にレントゲン写真やMRIなどの医療機器を使った証明は協力していただける研究機関を見つける事、その費用などからとてもハードルが高く感じられていたのです。

 そうしたところ東大のバイオメカニクスの先生とお話させていただいている時に、前回書きましたランニングと故障の話題から『ランニングにおける接地と骨盤との関係は?』という話になり、自説つまり『股関節内転矯正が腰椎を前弯させる⇒骨盤が前傾する⇒重心が前方に移動する⇒接地位置も前方に移動する⇒アフリカ系ランナーのようなフォアフットになる⇒記録の向上』という考えをを披露するとご興味を持っていただき、さらに先生の研究室の陸上競技の選手でもある院生の方にも興味を持っていただいたことで、実験をしてみようという運びになりました。

 そして、具体的には『股関節矯正を2週間に1回の頻度で受けていただき、礒谷式力学療法の自宅矯正法である、膝抱え、腰枕、紐結び、屈伸運動をご自宅で毎日練功していただき3か月での変化を計測し矯正前と比較する』という計画で実行したのです。

 そして、その内容を第37回ランニング学会で発表されたのです。

 内容に関しましては、 第37回ランニング学会大会 -ランニング文化の発展に向けた未来への提言-大会号・本文の38ページに掲載されています『礒谷療法による股関節矯正がランニング動作に及ぼす影響についての事例研究』
栗山一輝(東京大学大学院)氏の一般発表で是非ご覧ください。

 下記にその内容を発表者の栗山氏が要約してくださいましたものを紹介いたします。

 第37回ランニング学会で、礒谷式力学療法の股関節矯正がランニングフォームに与える影響に関する予備的研究成果を発表しました。

 マラソンタイム2時間25分、競技歴15年のランナー1名によるケーススタディとして、2週間に1回の徒手矯正とストレッチ・筋トレ、さらに毎日の紐結びと腰枕を実施し、介入前後の比較を行いました。

 その結果、立位時に適切な腰椎前湾が形成され、ランニングの接地瞬間における上体の前傾および足圧中心の前方遷移が促進されました。

 これにより、ブレーキの少ない前足部接地(フォアフット走法)が実現されました。

 これはアフリカ系ランナーに見られる効率的な走法に近づく可能性を示唆する興味深い結果であり、今後さらに研究を進めていく予定です。

 そして、この論文発表者の方は「悪く無い感覚で走れています。特に接地中に体重を乗せやすくなった気がします」と言われています。

東大 共同研究 整体 ランニングフォーム

 今回の研究でも、科学的に礒谷式力学療法の理論と矯正の正しさの一部が証明できたと思います。

 礒谷公良先生は、この礒谷式力学療法の知見を義務教育に取り入れて「幼少期から良い姿勢の習慣を作り、そのことによる一生にわたる健康な生活ができるようになること」を夢見たと聞いていますが、私もその意志を次いでいますので、こうした科学的な証明により多くの方にこの素晴らしい健康法を知っていただき将来的には、この方法が常識になるようにしたいと考えています。

 さらに、もちろん今回の研究のようにスポーツの世界でも多くの方がこの理論と実践でパフォーマンスを上げることに、また怪我や故障のリハビリや故障予防の観点からも、大いにこの理論と技術を活用していただくことを望んでおります。

     東大での共同研究でも効果を実証した礒谷式力学療法×CS60の整体院    杉並区・西荻窪  鴨下療法所
                  杉並区松庵3‐35‐21   3-5938-7713

姿勢矯正 西荻窪 股関節 整体

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