『かかと落とし運動』の弊害

2020年07月29日

踵落としの問題
 
 以前にも注意を促した、

『かかと落とし』は弊害があることにご注意ください。

 骨密度を上げて、認知症予防にも効果的ということで、椅子の背に掴まり踵を上げて、すとんと落とす『かかと落とし体操』。有名な先生が紹介してから、やる方が増えているようです。

 かかとは漢字では、足に重い『踵』と書くように体重がかかる様にデザインされている骨です。

 スネにある2本の骨の太い方、脛骨が股関節から正しいアライメント下では、この踵の骨の真上に乗るために、歩いたりする刺激が踵から脛骨、大腿骨に響き骨の代謝を上げるという働きがあるので、踵を刺激すれば骨の密度が上がると考えるのは、その通りだと思います。

 しかし、その為に

『かかとを上げる』と言う運動が加わってしまうのが問題なのです。

 この踵を上げる動作を何回か繰り返すとふくらはぎに疲れを感じますので、このあたりの筋肉を鍛えていることが分かります。

 ふくらはぎの筋肉は背伸びをしたりする働きや、体が前に傾き過ぎないようにする働きを担っているので、高齢者やO脚、筋肉が弱い方などでは、歩行時に前へ進むために自分の体重を前に投げ出すようにして歩いているので、このふくらはぎの筋肉はすでにパンパンになっているところを、この運動でダメ押ししてしまいます。(この運動をやって調子がいいという方は、じゅぶん歩いたりして脚の筋肉がバランスよく鍛えられている方だと思います)

 そもそも、先ほど踵の上に脛骨が乗り… と書きましたが、その為には大腿部の筋肉のバランスが良く正しく歩けることこそが必要な事なので、こうした部分的な筋トレは弊害が出てしまいます。

 それは、つま先立ちの姿勢は股関節に内旋と言う太ももの内へのねじれを誘発してしまうのです。

 これにより、臼蓋形成不全や変形性股関節症、ペルテス病というような股関節の疾患がある方は痛みが増したり、変形が進む可能性も有りますし、膝の内側の痛み、脚の冷えを作ることもあります。

 したがって『踵落とし』などの脚の一部分だけを鍛えてバランスを失調するような体操よりも、踵からきちんと着地する歩き方をこそ習得するべきで、その為には太ももの筋肉のバランスを回復することが必要な体操だと思います。

 正しい歩き方を身につける事が出来る礒谷療法ベースの整体院 杉並区・西荻窪 鴨下療法所 

 
 

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