痛む股関節には体重をかけない…は間違い

2019年09月13日

 前回は変形性股関節症の痛みの原因というタイトルのブログを書きましたが、変形性股関節症(以下変股)の痛みには、その起こり方にまず大きく分けて2パターンあります。

 股関節の外転による痛み、股関節の内転による痛みです。

 外転による痛みの最近の臨床例ですが『学生時代にバトミントンを長くプレーされ、小柄なので前衛で右脚を大きく開いてプレーをしていた』事が(多分)原因で年齢が進み変形性股関節症を発症された方がいらっしゃいましたが、この方のように股関節を大きく開く癖が強い事により起こるのが外転による変股です。
 特徴は、背中が丸くなるいわゆる猫背になってきている、椅子に座っている時に膝が大きく開くなどがあります。

 内転による痛みは「先天性の股関節脱臼や臼蓋形成不全、小児マヒなどで、整復されたけれども更年期位で変股が発症した」こういう方はその脱臼をされていた脚側で起こる変股には内転によるものが少なくありません。
 特徴は、デッチリ反り腰、一歩の歩幅が狭いなどが見られます。

 外転による痛みは、脚に骨盤が乗らなくなっている状態なので、体重がかからなくて起こった痛みと言い換えることも出来ます、このパターンでは痛い脚に体重をかける事により痛みは消失します。

 決して脚の負担が大きかったから変股が発症したわけではないのです。

 内転による場合は、その脚に骨盤が乗り過ぎる、つまり痛いのに体重が乗り過ぎているから起こる痛みと言えるので、痛い脚に体重を乗せない様にする事が痛みを消す方法になります。(蛇足ですが坐骨神経痛も同様です。痛む側の脚に体重がかかり過ぎて臀筋が緊張して神経を圧迫しているので、基本的に体重を乗せない事が痛みを取り除くポイントになります)

 この様に、股関節角度、内転しているのか外転しているのかを見極めて治療、運動療法の処方をしなければいけないのですが、ちまたでは一律に変庫には体重をかけてはいけない、この体操が変股にいい、こういう姿勢が変股にいいと勧めたりしていますが、かえって痛みが増す方も多くいらっしゃいます。

 変股の治療は、まず見極めが大切なのです。

変形性股関節症に強い整体院は礒谷式ベースの  杉並区・西荻窪 鴨下療法所 
 

 

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